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ログハウス基礎用語集

◆◆◆ ビギナーのためのログハウス基礎用語集 ◆◆◆

[アーチカット]
ログ壁の加工部に設ける曲線デザインカット。楕円ログタイプで取り入れると、室内のアクセントになりログハウスらしい雰囲気を高める。

[アイランド・キッチン]
「アイランド=島」の言葉のとおり、調理台やシンクなどの作業スペースの一部を壁面から離し、部屋の中に配置するキッチン・プラン。その場合、壁面から離れた部分では、室内側を向いて作業するスタイルになることが多い。動線に開放感があり、使い勝手も良いが、ある程度のキッチンスペースが必要。

[アスファルト・シングル]
屋根仕上材の一種。無機質繊維に着色した鉱物粒を張り付けたもの。柔らかく曲面にも張りやすく、セルフビルドにも最適。

[アプローチ]
道路、門扉から玄関等の出入口までの導入路。ガレージと直接つながるアプローチ、庭を通り抜けるアプローチなどスタイルはいろいろ。人を迎え入れる場所でもあるので、レンガや花壇などで工夫したい。

[雨じまい]
雨水が建物にしみ込んだり、漏ったりするのを防ぐ方法。基本的には、外部に接する各接合部で必要になる。屋根まわり、建具まわり、土台まわりなどには、板金を施してやることが多く、ログ材を腐食から守るための正しい処理が不可欠。屋根から突出したログの木口などにも雨じまいは必要。

[雨どい]
軒先に取り付け、雨水を集め、まとめて流す装置のこと。ログハウスへの取り付けは、これまであまり見られなかったが、住宅街への建築が増えたため、最近では取り付けるログハウスも増えている。塩ビ製、アルミ製、縦とい(軒につけて雨水を集める横といに対し、集めた水を地面へ流すのに使われる縦方向のとい)の代わりに鎖を使ったものなどがある。軒先から落ちた雨水のはね返りで、ログ壁が汚れ、傷むことを防いでくれるというメリットもある。

[アンカーボルト]
構造材や設備機器などを固定するために、あらかじめコンクリートに埋め込んでおくボルトのこと。ログハウスでは、基礎に埋め込み、土台やシルログを固定するのに使われる。またこの場合、「丸太組構法技術基準」により、ボルト径は13mm以上、基礎内に埋め込む長さは、その径の25倍以上であること、土台の両端部と継ぎ手の部分と、2m以上の土台には2m以下の間隔で配置することが定められている。

[インシュレーション]
室内の保湿を目的として施工される断熱材の別称。

[ウォークイン・クロゼット]
衣類などの収納スペースのうち、中に入って物の出し入れができるタイプのもの。メインの収納場所として便利に使える。

[雨水利用]
雨水を生活用水に自家転換させること。さまざまな方法があるが、雨どいなどを利用して雨水をためて、それをポンプで汲み上げ、トイレや庭の散水など、飲料水以外の生活用水に使うことが最も簡単な方法。本格的になれば、中間にろ過装置を取り付け、飲料水にも。ろ過装置のシステムとしては、木炭、砂、花崗岩を何層にも重ね、雨水を通すという、アウトドアでは一般的な方法などがある。ただし、減菌処理を確実に行うこと。

[延焼ライン]
建築基準法で定めた、火災の際に、隣家などに延焼しやすい範囲を示す線。隣地境界線または道路の中心から測って、1階部分では3m、2階部分では5mの線がこれにあたる。準防火地域、22条・23条地域に家を建てる場合は、この延焼ラインにかかる部分に十分な耐火性能を持たせる必要が有。

[オイルステイン]
木材に用いられる着色塗料。

[大引き]
1階床根太を受ける横架材。3〜4寸角材、または2インチ厚の材を3枚張り合わせで使われることが多い。通常90mmほどのスパンで渡し、下から束で支えられ、端は土台または大引き受けに載せ架ける。

[オープンキッチン]
独立したキッチンではなく、リビングやダイニングとひと続きになったキッチン。また、対面式キッチンのことをこの名で呼ぶこともある。ほかの人が料理を手伝いやすく、開放的な雰囲気となる。ただし、キッチンが丸見えになってしまうので、キッチン設備そのものはもちろん、収納にもこだわりたい。

[踊り場]
階段の途中に設ける段差のない広くした部分。折れ階段や折り返し階段に設けると、動作の向きが変わる際のクッションとして機能し、転落事故の際のブレーキとなる。

[加圧注入材]
加圧タンクに入れ、圧力により薬剤を染み込ませた材。薬剤処理の方法としては、効率がよく広く行われている。主に防腐剤を注入されたものが多く、傷みやすいデッキや土台などに用いられる。

[角ログ]
マシンカットによって四角に製材されたログのこと。壁として積み上げるとフラットな面を形成し、すっきりとした雰囲気となる。角ログは加工法で、芯持ち、芯去り、ラミネートの3種類に大別される。芯持ち材は強度に優れている反面、乾燥によって割れやすい性質があり、芯去り材は芯をはずすことで乾燥過程での割れを最小限に押さえている。ラミネート材はいわゆる集成材で、ログ材の木表同士を密着させるのが基本で複層になったタイプもある。ラミネート材は強度も高く、割れやねじれが少ないといわれている。

[片流れ屋根]
傾斜のついたひとつの面だけで構成された屋根形状のこと。ただし、風雨の強い地域ではまともに吹き付けられることになるのでおすすめできない。

[片開き窓]
ドアのように開閉するスタイルの一枚窓。内開きの場合、家具の配置などに支障があり、多くは外開きタイプ。

[框]
家具や建具において、枠組みとする構造の周囲の枠材。また、床に段差がある場合、段になる部分の縁に使う厚い横材も指し、玄関の上がり框、床の間の床框、縁側の縁框などがある。

[カラー鉄板]
屋根の仕上げ材として使われる色付き鉄板のこと。雨じまいや耐候性に優れているが、断熱性や遮音性にやや難あり。雪の滑りがいいので、寒冷地、豪雪地に用いられる。錆びやすいので海の近くには向かない。葺き方は普通、横葺きだが、より雪が落ちやすいよう縦葺きにすることもある。

[含水率]
木材中に含まれる水分量を表す。この水分は木材を構成する細胞に含まれ、乾燥し蒸発すると含水率は低くなる。ログハウスに使う材の理想的な含水率は20%前後。乾燥が十分でなく、含水率が抑えられていないと、曲がりや縮みがひどくなりやすい。

[北側傾斜線制限]
建築物が周囲に迷惑を及ぼさないように定められた斜線規制のうちのひとつ。北側の隣地境界線から5mの垂線を引き、その上端から1対1.25の傾斜の内側に建物を納めること、という規制。

[躯体]
建築物の主要な構造体のこと。構造強度に関わる部分で、基礎、柱、梁、壁面、床などを指す。

[グラスウール]
断熱材の一種で、ガラス原料を高温で溶かして繊維状に細かくしたものを、さらに加熱炉で加圧成形してつくられる。原料が無機質のガラスのため、燃えることもなく有毒ガスも発生しない。吸音防音性、耐久性に優れている。軽く柔軟性があり、簡単に施工できる。ただ水分を含むと断熱性が著しく低下し、なかなか乾燥しないので、結露には十分注意が必要だ。

[ケーシング]
窓やドアなどに建具をはめる、開口部の枠材と壁仕上げの見切りに用いられる部材。装飾的なデザインの施されたものもあり、単なる見切りとしてだけでなく、インテリアの一部として使用されることもある。額縁ともいわれる。

[桁]
一般建築の場合、柱や束、壁などの上に据えられる横架材をいい、主に側柱の上で垂木や梁を受ける。ログハウスの場合、プレートログと呼ばれ、ログ壁最上段に積まれ、金物や釘などで垂木と連結される。妻壁を支える陸梁と直交し、屋根の荷重を支える働きをする。

[コンテナ]
主に輸入時、ログ材や他の部材、設備など貨物輸送する際に用いる大型の箱。建物の大きさによって、必然的に容量や使用するコンテナの数が決まる。40ftと20ftのコンテナがある。

[コンパネ]
コンクリートパネルの略語で、商標。コンクリート打設時の型枠に用いる堰板用の耐水合板で、JASの規定により、厚さや使用目的による板目の品質などが決められている。耐久性の必要な個所の下地材に使用されるものはコンパネではなく、別の強度の強い構造用合板だが、総称してどちらもコンパネと呼ばれることが多い。

[コンポスト]
本来、生ゴミは地中に埋めておけば、自然に分解され堆肥となる。それを衛生的・効率的に行うための設備機器。容器の中で雨や虫などを避け、生ゴミと土を攪拌し、堆肥をつくる。家庭ゴミの大部分を生ゴミが占め、またダイオキシン問題が話題となっている今、小型のものを設置する家庭が増えている。

[サイディング]
本来は木製羽目板や下見板などの外壁用板材のこと。一般に、耐火性を高めるために石綿セメント板や金属板などを外壁に張ること。

[サウナ]
元来は薪を燃やして石を熱し、水をかけて室内に蒸気を発生させ、発汗させることを目的としたフィンランド式の蒸し風呂。現在では電気などでスチームを発生させるタイプが多い。

[サネ]
木材と木材を継ぎ合わせるときに一方の材には凸型の突起を、もう一方には凹型の溝を加工し、それらを互いに噛み合わせてずれないようにし、また気密性や防水性を高める。その際の凸型の突起をサネという。主に床や壁など、板材を並べてはぎ、継ぎ合わせることが多いが、マシンカット・ログの接合部分にも用いられる。サネの本数により、1本ザネ、2本ザネなどの種類があり、本数が多いほど強度や気密性が増す。

[シーリング・ファン]
一般に吹き抜けのプランが多いログハウスでは、冬薪ストーブを利用時など、暖気がロフトに溜まり、1階との室温格差が大きくなる。そのため、棟木や天井に取り付け、室内の空気を攪拌するために設置する空気攪拌扇。リモコン操作できるものが一般的で、室内の暖房効率を高める。

[シェッド・ドーマー]
ゲーブル・ドーマーやピーク・ドーマーとは違って、四角形の壁と水平の天井ができるため、ドーマーの中でも採光性はもちろん、最も広いスペースを確保することができるのが、このシェッド・ドーマー。理論的には、棟木から桁までの高さとひと部屋分いっぱいの幅の長さで設置することも
可能だが、構造上は小屋組みの一部でなければならない。したがって、極端に大きすぎるものはログハウス全体の強度に影響することもあり、建築確認の際、認められないこともあるので、注意したい。

[芯去り材]
割れの原因になる樹芯を避けるようにして製材された材木。樹芯がないため、割れや狂いが生じにくいので、芯去り材には通常、背割りは行わない。

[芯持ち材]
樹芯を含んで製材された材木。材が乾燥した際、樹芯に向かって割れが入りやすいため、材には背割りを施すことが多い。ちなみに芯が曲がって通っている材や、製材の際、芯が中心からずれてしまったものは、より狂いが出やすい。

[スクエアノッチ]
主に角ログに用いられるノッチで、別名鎌欠き。材の上下を1/4ほど欠き込むようにして、直交するログ同士を隙間なく納める。古くからログハウスのノッチ部に使われている構法。

[スクリュー・ジャッキ]
ログ壁のセトリングを逃すため、長さの調節ができるようになっているネジ付きの金具。ログ壁の踏み板が組み込まれた螺旋階段の親柱のように、縦方向に使用する柱とログ壁との間に生じるセトリングの誤差を調整するため、柱下部に取り付ける。

[スパン]
梁や大引き等の建物の横架材やアーチやドームなどの架構支点同士の距離のこと。根太のスパン(床を支える根太同士の間隔)、梁のスパン(ロフトの床を支える梁同士の間隔)等といったように使われる。

[石膏ボード]
防火性や遮音性、寸法安定性などに優れる内装下地材。最も一般的な建材で、プラスターボードとも呼ばれる。石膏ボード自体は、石膏を主体に、軽量な骨材を加えたものを芯として、その両面を厚紙で覆って平らな板状としたもの。

[セットバック]
日当りや通風、防火上の問題から敷地境界線、道路境界線などから、建物をある程度、後退させて建てること。

[セトリング]
乾燥による一本一本のログ材の収縮とログ壁の自重により、ログ壁の高さが徐々に低くなる現象のこと。セトリングは施工中から発生しはじめ、落ち着くまでに建築後数年かかるといわれており、壁の沈下する幅や落ち着くまでの期間は、もともとのログ材の乾燥の程度や種類で異なるが、3〜5年といわれる。ログ材の太さや乾燥方法により、ハンドカットのほうが、マシンカットよりもセトリングの度合いは激しい。

[セトリング・スペース]
セトリングによるログ壁の沈下は、建具や間仕切り壁(在来構法の壁)に圧力を加えることになる。この圧力を逃すためにそれらの上部にあらかじめ設けておく空間のことをセトリング・スペースという。通常、この空間には目隠しのためのカバーボードと呼ばれる板で覆う。

[背割り]
木の割れを抑えるため木の表面に入れる切り込みのこと。この切り込みが乾燥過程で発生する割れの代わりになり、別の場所への割れが発生しにくくなるという仕組み。ログ材の場合、上下の丸太が重なる部分に背割りが入ることが多く、建築後は木口でしか見ることができない。

[造作]
軸組み、小屋組み、床組みなどの家の骨組み工事が終わったあとに行われる内外の木工工事全般のこと。天井材や床材の張り付け、階段や開口部の枠や敷居、つくり付けの家具などの取り付け工事などを指す。

[耐力壁]
建築の壁のうち、地震や風などによる水平力、建築の自重、家具や人の重量、屋根の積雪重量などによる鉛直力に抵抗する壁体。ログハウスの場合は、ログ壁を指し、丸太組構法技術基準には、耐力壁であるために必要なサイズ(壁体の高さの1/3以上の幅を持つこと)などが定められている。

[ダボ]
丸太組構法の水平方向の力によるログ壁のズレやゆがみを防ぐためにログ材の上下段をつなぐ形で入れる、木製また鋼製の棒。一般的には、部材を接合する際に、両方にあけた穴に差込む角材や丸棒状のもの全般を指す言葉で、ホゾ継ぎなどに比べると強度はないが、家具などにも多用されている。

[垂木]
屋根の構成部のひとつで、屋根面そのものを構成する角材のこと。棟木から母屋、軒桁に垂直にかけ渡される。ログハウスでは、2×6材などを455mmピッチで設置するのが、一般的。屋根そのものの強度を左右する部材のため、桁の接合にはあおり留め金具を使うなど、適切に設置することが望ましい。垂木と垂直に、垂木間に取り付ける部材をころび留めと呼ぶ。

[地耐力]
敷地地盤に加わる建築物などによる荷重に対して支持可能な地盤の耐力。軟弱地盤の敷地では、建物の不同沈下を引き起こす恐れもあるので、取得する前にしっかり確認したい。

[妻壁]
妻面の壁。切り妻屋根や入母屋屋根側面の三角形の壁を指し、ログハウスでは、板張りや塗り壁で仕上げられることが多い。ベランダへの出入り口や採光・通風のための窓も、この壁に設けられる。

[天窓]
採光のために屋根の一部に設けられた窓。壁面に設けた窓よりも3倍以上の採光率があるとされ、特にドーマーを設けないログハウスでは、2階部分の壁が妻壁のみとなるため、ロフト空間の採光には欠かせない窓といえる。屋根の一部をカットするため、適切な雨じまいと積雪地域ではその対策が必要。北欧のベルックス社製の天窓は、かなりポピュラーで多くのログハウスに取り付けられている。トップライト、スカイライトともいう。

[凍結深度]
冬季に地盤が凍結する深さのこと。凍結(霜)により地盤が浮き沈みすることで、基礎が動いてしまうのを防ぐため、基礎底面は、凍結深度より深くつくる必要がある。敷地ごとの凍結深度は、各地方公共団体により定められている。

[通しボルト]
ログ壁の横ズレを防ぐために、土台から桁までに通されるボルト。丸太組構法技術基準でノッチから45cm以内の位置に入れることが義務づけられている。ログ壁にセトリングが発生したら、緩くなった部分を増し締めする必要がある。この増し締めは、ログハウスのメンテナンスの大切な仕事でもある。

[ドーマー]
本来、ロフトへの採光を目的として、屋根に設置する出窓を指す。ログハウスの場合は居住空間を広くするという目的で設けることも多く、また外観のデザイン性を向上させる役割もある。種類としては、ゲーブル・ドーマー、シェッド・ドーマー、ピーク・ドーマーなどがある。ドーマーを設けることで屋根垂木が切断され、またその形状も複雑になるため、強度、雨じまいには十分な気配りが必要。

[根太]
床の構造材のひとつで、床板のすぐ下にある横架材。床を支える役目と、床からの荷重を直交する大引きに伝える役目を果たす。ログハウスでは、2×6材が使われることが多く、薪ストーブやピアノ、階段などの重量のあるものを置く位置では、材のスパンを狭くするなどの補強が必要となる。

[野地板]
屋根や床に張る下地材の総称。一般的に、構造用合板を用いることが多いが、板材や貫材等にも使われる。構造用合板の場合、通常屋根や床の野地板には12mmのもの使われる。

[ノッチ]
交差する丸太を隙間なく積むために、重なる部分に施す刻みのこと。マシンカットの場合は機械加工のため、複雑で精密なつくりのものが多い。また刻み方によって、ラウンド、サドル、ウエッジ、スクエア等の種類に分けられる。「丸太組構法技術基準」では、ノッチの種類に関して、丸太の先端を交差部から25cm以上木口を突出させるという規定がある。

[ハーフユニット]
ユニットバスのうち、床や壁、天井がひとつのセットになった完全な箱型の浴室をオールユニット、もしくはフルユニットと呼ぶのに対し、天井がなく、壁も腰位までしかないものをハーフユニットと呼ぶ。壁や天井の仕上げを丸太や板張りといった感じで自由に選択できるのが特徴。ただし、その場合には壁や天井の防腐処理や防湿処理が必要。

[掃き出し窓]
床面の位置まで広がった窓。ゴミを掃き出したり、デッキなどへ出られるようになっている窓。開閉方式にかかわらず、この大きさの窓を指して呼ぶ。

[羽子板ボルト]
木造建築で、仕口が外力を受けたときに抜け落ちないように、ふたつの材を連結する羽子板状の形をしたボルト。ドリル穴だけで簡単に施工できるが、座金部分の座彫りが必要。

[鼻隠し]
軒先で垂木の木口を隠し、風雨から屋根を保護するために付ける化粧板。

[幅木]
壁と床に接する部分に、見切りのために設ける化粧板。真壁の和室では、畳寄せと呼ばれる部分。

[破風]
屋根の妻側で桁や母屋の木口を隠して、風雨から屋根を保護するためにつける板。デザインカットされた板を重ねあわせることで、建物のイメージを変えるといった意匠的な側面ももつ。特にフィンランドをはじめとする北欧のログハウスではさまざまなデザインが施されたものが多い。

[はめ殺し窓]
ガラスをはめ込んだ状態のままで、開閉できないつくりになっている窓。採光の役目とデザイン的な意味を兼ねていることが多い。FIX(フィックス)窓と表記されることもある。

[バリアフリー]
高齢者や障害者などが不自由なく暮らせるように、障壁を取り除いた状態のこと。住宅でいうバリアフリー設計の例としては、車椅子が行き来しやすいだけの幅を通路や開口に確保すること、敷居などの段差をなくすこと、廊下等に手すりを設置すること等挙げられる。高齢化社会にともない、注目されている。

[引き違い窓]
建具の一種で、建具内部に最低2枚の窓があり、それぞれが異なるレールの上を移動するため開閉が楽な反面、窓を全開にしても、最低1枚分は窓が建具内にとどまるため、開き窓に比べると開放感が少ないという特徴がある。

[引き戸]
昔の玄関やふすまに用いられることの多い、横にスライドさせて開閉する建具の種類。戸袋の設置等施工には手間がかかり、最近のバリアフリー傾向に乗じて、採用されることが多い。

[風除室]
玄関と室内の入口をドアや戸で仕切り、外気の侵入を防ぐために役立つ空間。冬寒い北国や風の多い地域などで、昔から伝わる家づくりの工夫だが、直接リビングなどに通じないよう目隠しの意味でも設けられる。

[吹き抜け]
複層の建物の、上階の床がない複層にまたがる空間のこと。ログハウスではリビング上部に設けられることが多く、規制の多いログハウスの室内空間の中で、視覚的な広がりをもたせ、換気が促進されるなどの効果を発揮している。その一方で、空間の容積が大きいことから、冷暖房効率は悪くなるため、とくに薪ストーブを設置する場合にはシーリングファンを設置して、空気を攪拌させるとよい。

[間仕切り壁]
室内の空間を仕切るための壁。設ける場所と目的により、視線を遮る、音を遮るといった要素が必要になる。ログハウスの場合、耐力壁であるログ壁の間仕切り壁とツー・バイ・フォー工法や在来構法でつくられる間仕切り壁とがある。

[間柱]
在来構法で、柱と柱の間に入れる。柱よりも小さいサイズの柱。通常45cm間隔で入れられ、柱の1/3、1/2サイズのものが用いられる。間柱の間に補強のために入れられる横木を浅木と呼ぶ。

[マンサード屋根]
切り妻屋根の母屋のあたりを持ち上げたような、上部が緩勾配、下部が急勾配の屋根形状。2階をロフトとして使うログハウスではその居住空間が広がるというメリットがある。勾配の変わり目で垂木カットする必要があるため強度には配慮が必要。腰折れ屋根とも呼ぶ。

[ミニログ]
小さなログハウスの略語。庭に建てて離れとして使ったり、小家族の別荘として使ったりする。自分で建てる人も多い。

[無垢材]
木そのままの材料をいう。集成材や合板等は無垢材とは呼ばない。乾燥等による狂いが生じやすいが、感触や質感の良さは無垢材が一番。

[メンテナンス]
維持、保全、保守の意味。ログハウスでは、経年変化によるログの変形や傷みの進行を止めたり、補修したりすることを指す。自然木を丸ごと使った建物であるログハウスは、木材の収縮や湿気による傷みが構造体の強度に関わるため、在来構法よりもメンテナンスに重点をおく必要がある。ただし、近年では加工、施工技術の発達により、とくにマシンカットではログハウス独自のメンテナンスをほとんど必要としないものもある。

[ユーティリティー]
実用的なものの意味だが、住宅に関しては洗濯など家事を行う場所を指す。専用のユーティリティー・ルーム(家事室)を設ける場合、キッチンに隣接する位置が家事効率が上がる。

[ラミネート]
一般的には集成材全般を指すが、ログハウスの場合、マシンカット・ログ材の種類のひとつで、いくつかの材を圧着した集成ログのこと。小さな材を乾燥させてから圧着するため、ログ材になってからの含水率がムク材よりも低く、乾燥による収縮、割れ、ねじれが起こりにくいのが大きなメリット。最も一般的なのは、芯を取り除いたふたつの長方形の材を背中合わせに圧着した角ログ。フィンランド産のラミネート材が最も有名。

[両開き窓]
隣り合わせの2枚の扉が、外側または内側に開くタイプの窓。床まである、表に出られる両開き窓は、パティオドアとも呼ばれる。

[ログウォール]
ログ材を積み上げてつくった壁のこと。丸太組構法では、この壁が構造上の耐力壁となるが、単にログウォールと呼ぶ場合耐力壁でないものも含む、ログの壁すべてを指す。

[ロフト]
屋根裏の意味。丸太組構法の2階部分は、壁を立ち上げない屋根裏の状態で使うため、2階はすべて(一部例外を除き)ロフトとなる。ロフトは居住空間として広く快適に使えるよう、さまざまな工夫がされている。